「イノブータン王国」が崩壊の危機にひんしている。和歌山県すさみ町に1986年5月、パロディー国家として「建国」したが、特産のイノブタの生産が大幅に減少し、市場に出回らなくなる可能性がでてきたからだ。関係者は王国の存続とイノブタ生産の継続を望んでいる。
70年に町内にある県畜産試験場が特色のある畜産物をつくろうとイノシシとブタを交配し誕生させたイノブタ。町はイノブタで観光客を呼び込もうと、86年にイノブータン王国を建国した。キャラクターの大王や王妃らでつくる王室のほか、首相(すさみ町長)、郵政大臣(すさみ郵便局長)、商工大臣(すさみ町商工会長)らの閣僚がいる。
建国以前の81年から毎年、3歳馬ならぬ「生後3カ月のイノブタ」が出走する「イノブタダービー」を開いてきた。馬券ならぬ「豚券」を配って1、2着を予想してもらい当たった人に町特産品などを贈る人気イベントとして定着した。
今年のダービーは…
県畜産課によると、2016年には県内で900匹を超えるイノブタが飼育されていた。
しかし今年2月時点には27…