陸上養殖のアオサノリが使われる商品。手前は陸上養殖したアオサノリ=ブンセン提供

 地球温暖化などの影響で生産量が減少している海藻のアオサノリについて、徳島文理大学(徳島市)が開発した陸上養殖技術が注目を集めている。食卓でおなじみの海苔(のり)のつくだ煮「アラ!」として11月から出荷が始まったほか、2025年の大阪・関西万博でもその技術について展示が予定されている。

 アオサノリは緑藻類のヒトエグサの別名で、つくだ煮やみそ汁の具、板海苔の原料として親しまれている。天然ものもあるが、主に海面養殖で生産している。ただ、近年は海水温の上昇のほか、長年の排水規制などによる海水中の窒素やリンといった栄養塩不足もあり、色落ちしたり、育たなかったりして不作が続く。

 「アラ!」を販売する食品メーカーのブンセン(兵庫県たつの市)によると、全国生産の6割以上を占める三重県では生産量が1985年の1483トンをピークに、2021年には319トンまで約8割も減ったという。

徳島文理大など産官学でベンチャー

 徳島文理大薬学部の山本博文…

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