2022年に京都市で開かれた高校生の陸上競技大会では、盗撮対策として柵に網が掛けられ、場外からの撮影を禁止していた

 佐賀県で5日に開幕する国民スポーツ大会で、陸上競技(11~15日)がある佐賀市の実行委員会は2日、競技会場への一眼レフカメラ持ち込みを禁止すると発表した。選手への盗撮を防ぐためで、担当者は「全国レベルの国内大会の撮影規制としては、最も厳しい対応ではないか」とする。

 会場は佐賀市のSAGAスタジアム。選手の家族・指導者ら関係者と報道機関にのみ、事前申請で一眼レフ持ち込みを認める。スタートやゴール付近の撮影禁止エリアでは、スマホやビデオカメラの撮影も認めない。

 近年は女子選手の胸や下半身をアップで撮るなどの「アスリート盗撮」が全国で問題となり、会場に「盗撮禁止」と掲示したり、巡回して画像を確認したりする対策が広まっている。

 実行委によると、県内でも被害は相次ぎ、見とがめた競技関係者との間で警察官がかけつけるトラブルに発展したこともあるという。昨夏の国スポ陸上のリハーサル大会では、名前などを記載してビブスを受け取った人のみに一眼レフ持ち込みを認めたが、ビブスをつけた人の撮影の様子に苦情が出て、不適切な画像を確認し消してもらう事案があった。担当者は「アスリートを冒瀆(ぼうとく)する行為は見過ごせない。身分の申告は抑止にならず、もう一段厳しい規制に踏み切った」と話した。(渕沢貴子)

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