県内の企業関係者と話し合う矢田稚子首相補佐官(右)=2024年9月12日午後4時15分、名古屋市中区、野口駿撮影

 「ものづくり王国」といわれる愛知県における男女の賃金格差は全国で5番目に大きい――。国が今月に公表した統計で賃金面のジェンダーギャップが明らかになった。愛知は管理職における女性の割合が全国最下位など課題が多い。働く女性を隔てる壁は、なぜ解消されないのか。

 今月12日、名古屋市で「車座対話」があった。

 「女性が夜勤をしようとすると『なんでするの?』と(男性の同僚から)言われた」

 手当が支給される夜勤に女性が就きづらい状況について、自動車部品メーカーの社員から声が上がった。

 この日の車座対話では、男女の賃金格差是正を目指す政府のプロジェクトチーム座長の矢田稚子首相補佐官を囲み、県内に拠点を置く製造業や金融機関などの担当者12人が「賃金格差」の背景について議論。「女性は車やバイクの運転が苦手なので営業は難しい」「女性が法人営業に行くと顧客に受け入れられない」など職場の偏見にまつわる意見も出た。

少ない女性の正社員 管理職比率も全国最低

 厚生労働省は今月、男女の賃…

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