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新潟市の教員採用試験の会場に入る受験生たち=2024年6月、新潟市、茂木克信撮影

 教員不足が深刻な中、新卒で中学、高校の教員採用試験を受ける人が減少傾向だ。教員養成を主目的としない学部学科の学生からは教職課程の負担が重いとの声もあがる。文部科学相は今月25日、中央教育審議会に多様な専門性を持つ質の高い教職員集団の形成の方策を諮問し、教職課程の在り方の検討も盛り込んだ。

なぜ、教職取るのはこんなに負担?

 「もう無理」

 首都圏の私立大理系学部の男子学生の元には、3年生の春から、各地の教員採用試験や私立中高の説明会などの案内が次々に届いた。だが「教職科目の負担が重すぎて卒業単位も取れるか……。説明会や試験に申し込む気にはなれなかった」。

 入学前から教員になってもいいと思い、中学と高校の教員免許を取得しようと決めていた。だが、入学時のガイダンスで「あまりおすすめしない」と言われて驚いた。学部やサークルの先輩も「やめた方がいい」と口をそろえた。

 理由は、所属学部の専門科目…

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