パリ・パラリンピックまで、9日で50日となりました。女子ゴールボール日本代表の高橋利恵子主将(26)は、東京パラリンピックの後で日本社会に起きたある変化に、驚かされたそうです。4年に1度の障害者スポーツの祭典が持つ大きな意義について、聞きました。(後藤遼太)
「そんなすごい選手とは!」 うれしい誤算
新型コロナ禍は、「非接触」の時代でした。私たち視覚障害者は、助けてもらう時に体に触れざるを得ません。「もう街中で助けてもらえない」と不安でした。
ところが東京パラリンピック以降、むしろ声をかけてもらうことが増えたんです。助けてくれた人と世間話をすると「ゴールボール知ってるよ」と言ってくれる人が多いのにも驚かされました。
ある時、合宿に行くため大きなスーツケースを引いていて、手伝って下さった方がいました。「ゴールボールの合宿なんです」「あ、その競技聞いたことありますよ」なんて会話をして別れました。
その人は私のことをネットで調べてくれたみたいで、東京大会のことを知ってわざわざ協会のホームページにメールをくれたんです。「そんなすごい選手だったとは! なんで教えてくれなかった」って。すごくうれしかった。
4年に1度、障害のある人がスポットライトを浴びる。多くの人が、障害者スポーツを知ってくれる。とても大きな意義を実感しています。東京大会の時、「ゴールボール」がSNSのトレンドに上がったこともあるんです。そんなこと、今までありません。驚いてしまいました。
「人数足りないから」 いきなり日本選手権
故郷の広島では、盲学校では…