家の庭で大切に育ててきた野菜を、サルに食べられた。その日から3週間にわたる、少年とサルの戦いが始まった。

 7月初め、箕面市立西小学校の4年生、浜本隆善(りゅうぜん)さんが帰宅すると、庭にナスやキュウリが落ちているのに気づいた。1年生から庭で野菜を育ててきた。「もしかしてサルの仕業かも」。家の近くの箕面山にはニホンザルがすんでいる。ときどき住宅街に下りてくることがあった。

 嫌な予感は的中する。数日後にお母さんが庭にサルがいるのを見つけた。大きな声を出して追いやってもすぐに戻ってくる。そのうち、もう1匹増えた。ナスやキュウリ、ミニトマト、ズッキーニ、スイカ……。2匹が次々と野菜を食べていく。「まるで庭がサルのレストランやんか」

 大切に育てた新鮮な野菜を家族で食べるのが浜本さんの楽しみだった。それだけではない。近くに住むおばあちゃんに野菜を買ってもらい、お小遣いの足しにしていた。

 自分の手でサルをなんとかす…

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