標高600メートルほどに位置する和歌山県紀の川市の「天空の村」。西口寿一さん(39)は、和牛を肥育し、柿を中心に果樹を栽培する「二刀流」の農家だ。
牛舎の周りには柿畑が広がり、時折、鳥の鳴き声が響く。「ここは、空気と水がいい。牛へのストレスが減らせます」
スノーボードが好きだったことなどから、北海道の酪農学園大に進学。酪農を中心に牛のことを学んだ。卒業後は、飼料会社に就職。3年働いたが、内勤が中心だったこともあり、「サラリーマンは向いてないなあ」と思うように。
果樹を栽培していた祖父母の引退のタイミングもあり、帰郷を決意。戻ってからは、和牛、果樹の両方を担うようになった。二刀流となることで作業量は増えるが、「和牛、果樹と、どちらかの調子が悪くてもカバーできるメリットがある」という。
戻ってきてからは、エサの配…