徳島大学の饗場和彦教授=2024年10月7日、香川県さぬき市志度、山田健悟撮影

 衆院が9日に解散され、事実上の選挙戦がスタートしている。与野党のトップが交代した直後に迎える総選挙で、有権者は何を考えるべきなのか。安全保障や国際協力に詳しい徳島大の饗場(あいば)和彦教授(政治学)に聞いた。

 ――岸田文雄前首相をどう評価しますか。

 基本的に安倍・菅政権を引き継いでいたとみています。ただ、安倍政権と違ってソフトな感じで、世論になんとなく安心感があり、野党も攻めあぐねたのではないでしょうか。

 実際は、経済はアベノミクスの弊害をただせず、低賃金・円安・物価高の悪循環を抜け出せませんでした。安全保障では戦後日本の大原則、「専守防衛」をやめ、反撃能力を持つという方針転換を閣議決定だけで通してしまいました。

 石破茂首相は、そういった流れと決別するような政治をする可能性もあります。ある種の「疑似政権交代」です。

「疑似政権交代」で本当にいいのか

 ――選挙の争点はなんでしょうか。

 最大の争点は「どの政権を選択するか」です。

記事の後半では、今回の解散総選挙で、有権者に求められる姿勢や視点、政治への関心が高まらない背景などについて聞きました。

 戦後日本の民主主義を振り返…

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