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20日午後8時半過ぎ、自由が丘駅(東京都目黒区)前にある不二屋書店の明かりが消え、102年間の営業に幕を下ろした。親子3代で守り続けたが出版不況の波には勝てなかった。
最終日の店内は、両手いっぱいの書籍を抱えてレジに並ぶ人やスタッフに花束や贈り物を届けに訪れた常連客であふれた。
最終日の朝、店主の門坂直美さん(74)は「今日もいつも通り始まった。いつも通りに終わりたい」と話していたが、閉店時には店の前に300人を超える人が集まり、駅前広場まであふれた。最後のお客さんの会計を待ってあいさつに出ると、人垣から「これまでありがとう」と感謝の言葉が飛び交った。
明日から総出で取次会社への返品作業を行う予定だという。