「自分は病気なんだと認めることができました」
山梨県甲斐市にあるギャンブル依存症の回復施設「グレイス・ロード 甲斐サポートセンター」に昨年1月から入所している30代の男性はそう語る。
ここに来るまで、パチンコや競馬に競艇、オンラインカジノなどあらゆるギャンブルに手を出した。そして、大切な人たちを傷つけた。
きっかけは高校1年生のとき。電車で40分ほどかかる学校に行くのがめんどうになり、繁華街で遊ぶようになった。
ゲームセンターに通っていたが飽き、目に付いたパチンコ店に入った。小遣いではまかなえず、家にあった貯金箱などから小銭を取り、つぎ込んだ。家族がためていたお金にも手を出し、損失を穴埋めしようと競馬もやった。
なかなか当たらず、「6艇なら当たるかも」と競艇もやってみた。ビギナーズラックで5万~6万円当たった。やめられなくなった。
数年前に結婚した。だが、ギャンブルから手を引こうとは思わなかった。妻にはギャンブルのことは言えなかった。既に借金は膨らんでいた。それでも「一発当たれば返せる」と思っていた。
その2年後、妻にばれた。借金は300万円になり、ヤミ金融にも手を出していた。両親に打ち明け、借金を肩代わりしてもらった。
このとき、「もう終わりにしよう」と誓ったはずだった。
膨らむ借金 妻は「離婚か施設か」と切り出した
1週間後。1人自宅で週末を…