宝塚歌劇の名作「忠臣蔵」が朗読劇となって3月、よみがえる。1992年の初演は雪組トップスターだった杜（もり）けあきの退団公演だった。杜が再び大石内蔵助を演じ、宝塚OGが顔をそろえる。
「まさか私にめぐってくるとは。驚きと幸福感でいっぱいです」
江戸時代の赤穂事件を題材に、主君への忠義を果たそうとする武士たちを描いたミュージカル「忠臣蔵～花に散り雪に散り～」。歌劇団のレジェンド演出家の柴田侑宏（ゆきひろ）が手がけ、旧宝塚大劇場の最終公演ともなった。
その後、一度も再演されずに30年以上。再演と聞いて、杜は亡き恩師の柴田に向かって心の中でつぶやいたという。「先生、いよいよやるよ」
名だたる俳優が演じてきた内…
