白米千枚田で田植えをする人たち=2024年5月11日午前11時19分、石川県輪島市、金居達朗撮影

 石川県輪島市の白米(しろよね)千枚田で11日、田植えが始まった。元日の能登半島地震で1004枚の棚田の多くが傷ついてから4カ月余り。陽光の下、復興への思いを乗せて、被災した住民と県内外から訪れた「オーナー」たちがともに汗を流した。

 この日の最高気温は27度。鳥のさえずりやカエルの鳴き声が聞こえるなか、地元住民でつくる「白米千枚田愛耕会」の代表、白尾友一(しらおともかず)さん(60)がマイクを握った。「震災当初は……」と話し始めたが、沈黙が続く。約30秒後、「ここまで来られるとは思っていなかった」と声を振り絞った。

白米千枚田での田植えを前にした開会式で涙を拭う白尾友一さん=2024年5月11日午前10時7分、石川県輪島市、金居達朗撮影

 田んぼにはいくつも亀裂が入り、あぜや水路は壊れた。4段の棚田が崩れて1枚になったところもあった。

 愛耕会の会員約30人のほとんどが、避難生活を送りながら田んぼの修復作業を進めてきた。

能登半島地震で亀裂が入った白米千枚田=2024年1月19日、石川県輪島市

 白尾さんは千枚田近くの自宅…

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