山形県米沢市で晩年を過ごした人気の武将、前田慶次(慶次郎)のものとみられる同市内の墓所に墓石が建てられ、4日にお披露目された。
墓石が建てられたのは、米沢市万世町堂森にある堂森善光寺の裏山の中腹。寺や考古学研究者らが調査した結果、慶次の墓とみられる場所が見つかったと2021年に発表した場所だ。
墓石を建てたのは、大阪府堺市で石材店を営む慶次ファンの桜井融さんや、市内の有志。墓石は高さ約180センチで重さは約600キロ。同じく慶次のファンで、米沢市の観光大使を務めるタレントの角田信朗さんが「前田慶次郎之墓」と揮毫(きごう)。この日のお披露目にも出席した。
角田さんは「感無量。今回はずっしりと重い大役だった。命を削って書いた」と話した。
前田慶次は戦国時代末期から江戸時代初期にかけて活躍し、型にはまらない振る舞いで「かぶきもの」と呼ばれた。加賀の前田家ゆかりの人物だが、前田家を出て上杉家に仕えた。歴史資料が少なく、生没年も諸説ある。小説や漫画の主人公にもなり、全国にファンが多い。(大谷秀幸)