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新潟県

 新潟県は、今年度中の制定を目指す障害者差別解消条例の名称を当初案から変更する方針を固めた。これまでは「障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例」を仮称として検討を進めていたが、「障害のある人とない人を区別している」との意見があり、撤回した。

 新たな名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例(仮称)」。県によると、1月末の有識者会議で条例案として正式決定し、県議会2月定例会に条例案を提出する。

 条例の名称をめぐっては、昨年9月の県議会で取り上げられ、「障害のある人とない人、と明記していること自体に差別を感じる。ある、ないは障壁の有無や立場で変わるものだ」との指摘があった。条例案は、障害のある人が受ける制限や差別が「社会における様々な障壁(バリアー)によって生じるもの」であることについての理解を深めるよう、求めている。県議会での指摘は、障害のある当事者からの意見を踏まえたものだったという。

 県によると、昨夏のタウンミーティングでも名称に対する異論が上がっていた。その後、実施した県のパブリックコメントで新たな名称を示したところ、趣旨が明確だ、と評価する声が寄せられたという。

 全国の都道府県が制定している同趣旨の条例では、「障害者差別解消推進条例」といった直接的な名称と、「障害のある人もない人も」といった文言のある名称が混在しているという。

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