学校法人の土地取引を巡る業務上横領罪で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、無罪となった不動産会社元社長・山岸忍さん(61)が「捜査に違法があった」として国に賠償を求めた訴訟で、捜査に当たった検事らの証人尋問が11日、大阪地裁で始まった。山岸さんの元部下に「検察なめんな」と発言した検事(52)と、山岸さんの担当検事(55)の尋問での主なやりとりは次の通り。
◇元部下の担当検事(52)
【国側の代理人の質問】
――(元部下に対する取り調べを録画した映像の中に)机をたたき、「うそだろ」と発言する場面があった。
(元部下が)悪びれる様子もなく、平然とうそを言っている。「なんでうそをついた」と聞いても、うそではないと弁解を重ねた。確たる証拠を突きつけられても真摯(しんし)に向き合う姿勢がない。これでは取り調べができないと思った。
――大声で厳しく問いただす場面もあった。
大声で厳しく問いただしたと思う。態度を改めようとしなかったので、自覚させるためにやった。
――(元部下に対する)「命をかけている」「検察なめんな」との発言はどういう趣旨だったのか。
なぜこういうことを我々がしているのかと(元部下に)理解してほしかった。検察もそういうつもりで公訴(起訴)しているから、「なめるな」という言葉を使った。不穏当な言葉ではあったが、真摯に取り調べに向き合ってほしかった。
【山岸さん側の代理人の質問】
――(国側代理人からの尋問で)取り調べに対する反省らしき言葉が一言もなかった。
聞かれていないので申し上げませんでした。
――聞かれなければ反省について話さないのか。
尋問で聞かれたことに答える…