
自民党の岸田文雄前首相、麻生太郎最高顧問、茂木敏充前幹事長が10日夜、都内の日本料理店で会食した。今夏の参院選の情勢や、石破茂首相による少数与党の政権運営などについて意見交換をしたとみられる。
3氏は、2021年に発足した岸田政権で政権運営の中核を担い、「三頭政治」と呼ばれた。しかし23年ごろから、茂木氏が「ポスト岸田」への意欲を隠さなくなり、続投をめざしていた岸田氏と距離が生じた。
さらに昨年、岸田氏が派閥の解散を独断で決めたことに麻生氏が反発。両氏の関係も微妙になった。総裁選では麻生氏が決選投票で高市早苗前経済安全保障相を支持し、岸田氏にも同調を呼びかけた。だが、岸田氏は旧岸田派を率いて石破氏の支持に回った。
この日の会食は麻生氏の発案で茂木氏が呼びかけたとされる。茂木氏は今年1月に外交や経済をテーマにした勉強会を立ち上げ、「ポスト石破」へ動き始めたとの見方も広がる。再び三頭政治を構築するねらいがありそうだが、関係を修復できるかは見通せない。