午前11時45分。昼休みを知らせるチャイムが鳴ると、福岡県立福岡高校(福岡市博多区)の校舎から生徒たちが飛び出してきた。校門脇の「記念講堂」に次々と吸い込まれていく。

 駆け込む先は、1階の学食「竹乃屋 福高(ふっこう)食堂」。2019年から、地元で「竹乃屋」の屋号で居酒屋をチェーン展開する「タケノ」(福岡市)が運営を手がける。白が基調の明るい内装に赤、黒、グレーの椅子が約150脚並び、窓際にはカウンター席もある。

福高食堂の入り口=2024年9月25日午後0時15分、福岡市博多区、榎本瑞希撮影

 竹乃屋の名物は、鶏皮を串に巻いてタレに漬け込んだ「博多ぐるぐるとりかわ」。これは食堂のメニューにはないが、牛すじカレー(390円)やチキン南蛮定食(520円)など安くてボリューム重視のメニューをそろえる。

 今年度からは、店でも使うブランド卵「あかねの虜(とりこ)」を提供。グループ会社の農場でケージに入れず育てた鶏の卵で、一つ160円と高額ながら、うどんや白ごはんとセットで注文する生徒は少なくないという。

 こだわりは、味だけでない。注文はスマートフォン一つでできる。

注文開始は午前7時 早起きにも一役

スマートフォンを使った注文・決済システムで効率化を進める「福高食堂」。記事の後半では、学食の歴史や、卒業生でもある社長の後輩への思いを紹介します。

 専用アプリで午前7時から受け付け、券売機もあるが、ほとんどの生徒はスマホでオーダーを済ませるという。入り口に掲示されたQRコードにスマホをかざすと入店がスタッフに通知され調理開始。受け取り口で料理を取ると、登録してある保護者のクレジットカードから決済される。

スマホで注文内容を確認し、できたての料理を受け取る=2024年9月25日午前11時53分、福岡市博多区、榎本瑞希撮影

 一番人気は30食限定の日替…

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