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優勝を決めて喜ぶ鳴門渦潮の選手たち=2024年10月13日、むつみスタジアム、森直由撮影
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 第77回徳島県高校野球秋季大会(県高校野球連盟主催)の決勝と3位決定戦が13日、徳島市のむつみスタジアムであった。決勝は鳴門渦潮が7―6で小松島を破り、16年ぶり13度目の優勝を果たした。3位決定戦は鳴門が6―5で川島を下した。

 鳴門渦潮、小松島、鳴門の3校は、来春の選抜大会の出場校を決める際の重要な選考材料となる四国地区大会(26日から高知県)に出場する。(森直由)

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 「何としても0点に抑える」。1点を追う八回裏1死一塁。マウンドの小松島のエース三原光嵐(あらし)投手(2年)はフォークで併殺打に抑えた。この日、初めて右手で小さくガッツポーズ。「この流れで九回に同点に追いつき、逆転できる」

 上手投げだったが練習試合で結果を出せなかった。「殻を破ってほしい」と考えた福岡秀祐監督が横手投げを助言。三原投手は「僕も変わらなければいけないと思っていたので驚きませんでした」。マウンド上の考え方も「自分で三振を取る」から、「仲間を信じて打たせて取る」に変えた。制球力が上がり、練習試合で結果が出るようになった。今大会は決勝までの4試合で完投勝ち。決勝進出と11年ぶりの秋の四国地区大会出場の原動力になった。

 決勝は初回から、夏の甲子園大会に出場した鳴門渦潮の強力打線につかまった。「心は熱くても頭は冷静に」。自分に何度も言い聞かせた。最速131キロの直球と多彩な変化球をコーナーに投げ分け、六回以降は無失点に抑えて投げ抜いた。

 四国地区大会で勝ち進めば17年ぶりの選抜大会出場も視野に入る。「一つずつ勝ちたい。出場を決めたら大きくガッツポーズします」と笑みを浮かべた。(森直由)

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