【動画】千葉県野田市で初めて繁殖したコウノトリ=斎藤茂洋撮影

えさを食べた後に巣に戻ってきたヤマト(左)に代わり、えさを食べに出るひなた=2024年4月13日午後3時10分、千葉県野田市、斎藤茂洋撮影

 国の特別天然記念物コウノトリが千葉県野田市でひなをかえしたことが分かった。コウノトリの野生復帰に取り組む市にとって、市内での繁殖は初めて。市の幹部が、明らかにした。孵化(ふか)は18日前後とみられている。

 市内では、ほかの動物園から預かった卵を、市コウノトリ飼育施設「こうのとりの里」(同市三ツ堀)にいる親鳥ペアが抱いて孵化させる「托卵(たくらん)」でひなが生まれた事例はある。これまで約20羽いるが、自然界でペアリングから孵化までの繁殖により、ひなが誕生した例はなかった。

 繁殖したのは、市飼育施設生まれの雄「ヤマト」(7)と栃木県小山市生まれの雌「ひなた」(2)のペア。2月下旬~3月に交尾と営巣行動が確認された。野田市での繁殖行動と営巣の確認も初だった。

 ヤマトは、埼玉県内の動物園から預かった卵から市コウノトリ飼育施設で2017年4月に誕生し、放鳥された。19年夏に、ひなたとは別の雌1羽と同市に帰ってきた。21年には、別の個体と市内にいるところを目撃された。だが、いずれも繁殖には結びつかなかった。

 種の保存について連携する組織の事務局を担当する兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園によると、関東での繁殖例は、栃木県や茨城県であるが、野田市での孵化は初だという。

「巣立つまでは静かに見守って」

市の担当者は「親は過敏になっている可能性がある。巣立つまでは静かに見守ってほしい」と呼びかけている。

 ひなが生まれた場所は、市コ…

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