湖南省資興市で2024年7月28日、台風による大雨で浸水した地域=新華社

 中国各地で大雨による大規模な災害が続いている。山崩れや道路の崩落、堤防の決壊などで多数の死者が出るケースが相次いで発生しており、習近平(シーチンピン)指導部も対策を最優先させる姿勢をアピールする。

 泥水が住宅街の1階部分をすっぽり覆い、広大な範囲で川や畑との境がなくなってしまっている。中国では今、こうした光景が連日のように報じられている。

 国営中央テレビは1日、台風3号がもたらした大雨で湖南省の121万人が被災したと報じた。7月28日に衡陽市の山崩れで15人が死亡、29日に湘潭市の堤防決壊で約3800人が避難するなど被害が相次いでいた。

 中国の淡水湖で2番目に大きい同省の洞庭湖では5日、堤防が約220メートルにわたり決壊。周辺の7860人が一時避難し、復旧作業に延べ4700人以上が投入された。SNSでは住民らが今も片付けに追われる様子が投稿されている。

 中国は「七下八上(7月下旬~8月上旬)」と呼ばれる、年間で最も降水量が多い時期を迎えている。だが、今年は春先まで続いたエルニーニョ現象の影響で暖かく湿った空気が流れ込み、南部で大規模な大雨被害が頻発した。

道路の安全性に疑問も

 広東省の一部では4月に平年…

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