蔵を活用したショールームでオリジナルデザインの「わっぱ」を手にする竹田典高社長=2024年5月14日午後0時19分、兵庫県姫路市、宮沢崇志撮影
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カンサイのカイシャ ここがオモロイ!

 温かみのある容器として「経木(きょうぎ)わっぱ」が様々な商品に使われるようになりました。兵庫県姫路市に、駅弁の容器づくりに長年取り組んできた会社があります。経営理念は「心と明日を包む」。そのこだわりと技術が、新たな販路を生み出しています。

 容器を作るショーワパッケージは、姫路名物・えきそばを提供し、駅弁事業を展開する「まねき食品」(姫路市)の関連会社だ。

 両社の社長を兼ねる竹田典高さん(43)は「近年は独自の取引が増えて、まねき食品の仕事が半分くらいになってきました」と話す。

 生キャラメルやチーズケーキなどの包装に活用されたことで、経木わっぱが再評価された。2015年には機械設備を増やした。プラスチック製の弁当容器が主流になる中、「まねき食品の『わっぱ弁当』で経木わっぱを作り続けていたノウハウと技術が強みになった」と振り返る。

 わっぱは、薄く削った木材(経木)を曲げて筒状にし、丸い底板を接着する。製法は単純なだけに、きれいに仕上げるには技術が必要だ。接着剤を塗る機械を導入したものの、使わなくなってしまった。「結局、人の手で塗った方が、きれいでかつ、速いんです」

 原料には主に北海道産のエゾ…

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