和田賢一・桜の聖母短期大教授

 首都圏に就職希望の東北の女子大学生は、企業規模や知名度を重視する――。そんな調査結果を桜の聖母短期大の和田賢一教授(経済学)がまとめた。和田教授は福島県内企業の上場を増やすことなどを提案する。

 2023年の東北地方6県の県外転出超過数は2万5072人。大学卒業と重なる20~24歳が1万2542人と半数を占めた。6県の県外転出者のうち東京都への転出は20~15%と、全国的にも割合が高い傾向という。

 和田教授は21年春、東北地方に住む大学生らにインターネット上でアンケートを実施。男女122人から回答を得た。就職希望先が「東北地方」と回答した女性の重視度平均スコアは、「企業規模」と「知名度」が3.10と2.86だったのに対し、「首都圏」と回答した女性は3.71と3.47と高かった。また、女性は男性と比べて育児休暇などの福利厚生を重視する傾向もあった。

 和田教授は東北地方の上場企業は全体の1%あまりと少ないため、東北地方の女性にとって就職したい会社が少ないことを指摘。一方、県内大学に通う県出身者は東北地方での就職を希望する傾向が強いことに触れ、「各県が企業の上場支援に努めるほか、非製造業や研究機関の誘致や県内大学の県人枠を増やす取り組みが求められる」と話した。(酒本友紀子)

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