「事務所や秘書は党が用意してくれるんですよね?」「自分は政策しか関心がありません」。自民党のベテラン職員は、公募で選ばれた若手支部長からの問い合わせが忘れられない。
衆院選が自民同士も争う中選挙区から、自民からは原則1人しか擁立しない小選挙区に変更されて今年で30年が経つ。とりわけ政権に復帰した2012年以降、自民は大勝続きで、公認さえあれば多くの議員は苦労せず当選を重ねることができた。それを当たり前のように考え、地力をつけない議員が増えている。
ベテラン職員は嘆く。「若手は、政党を寄りかかる存在と思っている。党全体を考える発想は全くない」
政治全体はおろか、所属政党の在り方にも関心を持たず、自らの当落、つまり党の公認を得ることしか考えない。そんな「自分ファースト」の空気が党内に広がっていると危惧する声は少なくない。
かつての自民党も「自分党」…