養育費の回収と立て替えなどの質問に答える清水勇人・さいたま市長=2024年5月30日午後2時7分、同市役所、岩堀滋撮影

 離婚相手からの養育費の支払いがなく、生活が苦しくなっているひとり親を支援するため、さいたま市は養育費を立て替えて回収する業務を4月から始めた。兵庫県明石市で同様の取り組みが進むが、自治体がこうした取り組みをするのは珍しい。

 対象は、市内在住のひとり親のうち、児童扶養手当の支給を受けているか同等の所得水準にとどまる経済状況にある▽公正証書や調停調書で離婚相手と養育費の支払いについての取り決めがされているなどの要件を満たす人。利用には、市への申請が必要になる。

 市が関わるのは最大3カ月間。離婚相手を訪問し、期限などを設けて支払いを迫り、支払いがない場合は子ども1人につき月上限5万円を支払う。立て替え払いは公金支出になるため、離婚相手が支払わない場合は法的措置に移る。

 いずれも明石市の事例を参考にしており、さいたま市は2024年度、20人の利用を見込んで315万円(事務経費を含む)の予算を計上した。来年度以降の事業継続も見据えているという。

■「夢と希望を持って育つ環境…

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