紅海の熱風が容赦なく吹きつける。アフリカ北東部スーダンの港町ポートスーダンで、男たちは汗をぬぐいながら、20キロの穀物が入った袋を倉庫に担ぎ込んでいた。「働くぞ! 家族のために!」。アラビア語のリズミカルなかけ声が響く。
- 【そもそも解説】世界最悪の飢餓の危機 スーダンでなぜ戦闘長期化?
「予定通りにいかず、チャレンジの多い現場をどう切り抜けていくか。そのことばかり考えています」。世界食糧計画(WFP)スーダン事務所の山崎和彦さん(61)は、積み上がる食料を確認しながら、そう明かした。
1年半近く紛争が続くスーダン。「世界最悪の飢餓危機」が起きている現場で、輸送・物流部門のトップを務める。現地スタッフや世界各国から集まる同僚とともに、紛争の前線まで命をつなぐ食料を届ける。
突然の首都退避、「輸送のプロ」の試練
昨年4月、首都ハルツームで…