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【兵庫】神戸市中央区にある神戸中華同文学校に通う生徒の多くは在日4~5世で、自身のルーツに触れる機会が少ないという。同校は今月、生徒に食を通じて中国文化を再認識してもらおうと、市内の中華料理店の店主を招いて調理実習を開いた。
「料理の先生」として呼ばれたのは南京町で中華料理店「民生」を営む同校卒業生の呉(ご)正一(しょういち)さん(58)だった。生徒が挑戦したメニューは、中国広東省の家庭料理で、日本食のしょうゆ焼きそばに味が似ているという「家郷炒麺」。「調理工程が簡単で中国文化に触れることができる」と呉さんらが選んだ。
20日の調理実習には中学2年生約30人が参加した。生徒たちは、呉さんの指導のもと、熱した鍋に麺や一口サイズに切ったキャベツ、ニラ、豚肉などを入れて混ぜた。
同校の李(り)俊吉(しゅんきち)校長は「自分のルーツを知っておくことはアイデンティティーの確立に大切」と語った。また、呉さんの鍋さばきを見て、自分で調理することを通じて「必ずしも教科書通りにいかない体験を子どもたちにしてほしかった」という。
完成した家郷炒麺を前に、中学2年生の間瀬煌大(こうた)さんは「自分で作ったのは初めて。水の調節が難しかったが、みんなで作れて楽しかった」と笑顔を見せた。