大学医学部の定員増に反対する医者ら=2024年3月25日、ソウル、太田成美撮影

 大学医学部の定員増を柱とする韓国の医療改革をめぐり、政府と医師側の対立が長期化している。研修医がストライキで職場を離脱してから3カ月近くが経ち、医療現場の混乱は拡大。終わりの見えない対立に患者らの不満は募っている。

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 「2月に前立腺がんと診断されたが、手術が取り消され、自宅で待機している」「抗がん剤治療を入院先の病院ではなく自宅で行うことになった」。がん患者らでつくる協議会が4月下旬に189人の患者らを対象に実施したアンケート結果だ。

 アンケートでは1割強の人が、抗がん剤治療の周期が1週間以上遅れていると答えた。進行が速いといわれる膵臓(すいぞう)がんと診断されても、最先端の装置がある上級総合病院での診療を断られるケースもあるという。

 全国の病院では、1万人超(3月時点)の研修医らが職場を離れた。研修医が不在となった病院では、新規患者の受け入れが停止したままだ。大学病院では、残った教授らが代わりに病棟の診察にあたるなどしているが、4月末からは一部の病院で週1回、教授らも集団で休診している。

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