東京電力は9日、柏崎刈羽原発(新潟県)で重大事故が起きた際に、指揮を執る施設「緊急時対策所」につながる電源ケーブルの一部について、火災防護対策が不十分だったと発表した。このケーブルは2020年に設置され、昨年も点検されていたが、不備が見逃されていた。
不備があったのは、事故時に空間放射線量を測定する機器の可搬型モニタリングポストなどから情報を受けるパラボラアンテナの電源用と、放射性物質が外部からこの施設に入らないように室内の気圧を高くする陽圧化空調設備の電源用の2系統のケーブル。いずれも火災から守る対象ケーブルとされ、耐火能力のある壁などを備えた「火災防護区域」に全て敷設する必要があるが、一部が区域外だった。東電が7号機に続いて再稼働を目指す6号機の安全対策工事に向けた準備作業を行っていたところ、5月1日に判明した。
■非常用発電機の熱感知カメラ…