写真・図版
大阪・ミナミの道頓堀で、記念撮影を楽しむ観光客=2024年9月2日午後3時52分、大阪市中央区、有元愛美子撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 関西有数のグルメ誌「Meets Regional」が、予定していた大阪・関西万博特集号の見送りを決めた。街や店の匂いが漂ってくるような深い取材で知られ、関西の魅力発信をめざしてきた同誌は、なぜ特集号を中止したのか。松尾修平編集長に聞いた。

 ――月刊誌「Meets Regional」では2023年1月、「世界最速」をうたった大阪・関西万博の特集を組みましたね。開幕まで、まだ2年以上あった時期です。早すぎないですか。

 万博の中身はほとんど何も明らかになっていませんでしたが、Meetsなら、「また悪ノリして……」と笑ってもらえるだろうと考えました。万博を見に来た人に、ついでに大阪の街も楽しんでもらいたいという願いと、万博絡みのイベントを考える企業と地元の人たちをつなぎたいという気持ちがあり、決断しました。

 普段のMeetsは、特定のエリアやその一帯の飲食店を取り上げますが、万博特集号は、私たちがツアーコンダクターになったつもりで、地元の芸術や服飾なども紹介する「大阪ガイド」をイメージしました。

 ――売れ行きや反響はどうでしたか。

 企画の段階で、社内の販売部門からは「売り上げが見込めない」、広告部門からも「広告が得られない」と猛反対されました。

 それらを押し切って発行したのですが、事前の想像通り、めちゃくちゃ売れたわけではありません。「ぼちぼち」です。ただ、日本国際博覧会協会(万博協会)からは感謝されました。

 ――開幕が近づけば、第2弾の万博特集号を出すと宣言していました。

 もとは24年に第2弾、25年に第3弾の特集号を計画していたのですが、中止しました。

特集中止に二つの理由 万博の機運高まらない背景は

 ――一定の需要はありそうなのに、なぜですか。

 今の時期になっても、万博協…

共有