テープカットの後、お披露目された土佐久礼駅=2024年10月18日午前11時46分、高知県中土佐町久礼、原篤司撮影

 今年で開業85年を迎えるJR土讃線の土佐久礼駅(高知県中土佐町)が、地元の人たちも手伝って改装され、18日にリニューアルオープンした。観光客への案内の場、おもてなしの場として活用する狙いだ。

 土佐久礼駅は土讃線の終着駅として1939(昭和14)年11月に開業。当時は船やバスへの乗換駅としてにぎわったが、利用者数の低迷などで2010年に無人駅となり、今は平日の午前中だけ窓口業務をする「簡易委託駅」だ。

 そんな、開業当初から使われ続けている木造駅舎を再活用しようと、「なかとさ観光協会」が中心となって今年8月にリノベーションを開始。約15人の地元の人たちが手作業で壁を塗り、飾り付けや掃除を担い、完成させた。

 駅舎の中に観光協会の事務所を置き、きっぷ売り場の横に観光案内窓口を開設。待合室は壁に展示できるアートスペースとして使い、土日限定のレンタサイクル(1日500円)も用意。小型のスーツケースが入るコインロッカーも試験的に置いた。

 この日の式典で、観光協会の田中隆博代表理事は「最近、県外や海外から列車で来る人が増えている印象だ。新たな町の入り口として再チャレンジする。応援をお願いします」とあいさつした。

 土佐久礼駅に停車する観光列車用の料理を作っている「和食・宴 あずま」の東野久美子さん(53)は、「駅が明るくなってうれしい。町に活気が出ると思う」と話した。(原篤司)

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