衆院選で落選した牧原秀樹氏の後任となった鈴木馨祐法相が12日、就任後初の記者会見に臨んだ。報道機関のアンケートなどで、これまで賛意を示してきた選択的夫婦別姓の導入について見解を問われたが、「国会で議論いただくのが大事」と述べるにとどめた。
選択的夫婦別姓の導入をめぐっては歴代法相が法案提出に意欲を示しながら、自民党内などの反対で実現しなかった。ただ、今年に入り経団連が導入を求める提言を公表。衆院選後には、衆院法務委員会の委員長を野党第1党の立憲民主党が握り、多くの野党と公明党も制度の導入を掲げているため、議員提出の改正案を審議する可能性が高まっている。
鈴木氏自身も、個別政策へのスタンスを問う朝日新聞などのアンケートで、賛成の立場を明らかにしてきた。しかし、この日の会見で是非を問われると、「様々な動きも出てきている。国会での議論などを踏まえて対応を検討していく」と従来の政府見解を踏襲した。個人としての見解も問われたが、法相の立場での会見であることを理由に「差し控える」と応じた。(久保田一道)