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飛田直哉さん(左)と鈴木さん
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 昭和の風情が虫食い跡のように、裏通りのそこここに散らばる東京・中央区人形町かいわいの、とある雑居ビルに、飛田直哉さんの時計会社をたずねた。1963年生まれの飛田さんは90年、27歳のときから複数の外資系時計商社でセールスやマーケティングを担当したのち、天才時計師を擁するF.P.ジュルヌやラルフローレン ウォッチ&ジュエリーの日本代表を務め、2018年、55歳のときに、「NH WATCH株式会社」を設立した。ときに55歳。時計に魂をうばわれた男は、安定した地位を捨て、みずからの時計ブランドを立ち上げた。納得のゆく好みの時計をプロデュースするという積年の夢をかなえるために。

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