【連載】高校思い出クリック~青春群像記~
高校をシリーズで紹介する企画。今回は東京都立多摩科学技術高校の1回目です。
「科学技術者や研究者に必要な基礎力を育成する」ことを目指し、東京都立多摩科学技術高校(タマカギ)は2009年に創立された。若き卒業生たちは、学びを生かし、どのようなキャリアを築いているのか。1期生で富士通に勤める梅田龍弥さん(30)と、2期生で海洋研究開発機構で働く黒田充樹さん(28)に聞いた。また、研究三昧(ざんまい)で「忙しさがすごい」と言う生徒会長の島田澪さん(2年)に、目標や同校の魅力を聞いた。
第1期生 情報技術を学び、大手IT企業に就職
祖父の影響で、幼少期からパソコンを触っていました。小学生のころにYouTubeが誕生し、ネット動画やSNSが流行。IT(情報技術)にのめり込みました。
最新のITを学びたい、1期生として新しい歴史をつくりたい、と志望しました。ただ、説明会に参加したら、校名に「(仮称)」とついていて、創立されなかったらどうなるんだろう、と心配したことが思い出されます。
1年時は、大腸菌の培養やロボット工学など、実験を通じて4分野を広く学びました。2年時に念願のIT領域を専攻。東大や民間気象情報会社のウェザーニューズなどが参加する、デジタル情報基盤の構築プロジェクトに加わり、全国のデジタル化した百葉箱から届く気象情報を集約したり、最新の気象情報をボット(SNSの自動投稿プログラム)で発信したりしました。
理数系の授業は、普通校の倍近いスピードで進みます。毎週実験レポートや課題の提出もあり、理系大学生と同じような高校生活でした。
大学では情報システムを学び…