カンサイのカイシャ ここがオモロイ!
家庭やオフィスで観葉植物としてドングリから苗木を育ててもらい、成長した2年後に引き取って山に植林する。そんな事業を展開する企業が和歌山県田辺市にあります。「土砂災害による人的被害をゼロにする」。豪雨の被災経験から起業しました。
ソマノベースの社長、奥川季花(ときか)さん(29)の人生を変えたのは、高校1年だった2011年9月の紀伊半島大水害だ。台風12号に伴う豪雨により各地で大規模な土砂災害が発生。和歌山、奈良、三重3県の死者・行方不明者は88人に及んだ。
和歌山県那智勝浦町に住んでいた奥川さんは、近くの家や道路、橋が跡形もなく壊れる様子を目の当たりにした。そして、友人を失った。それまでは田舎じゃ何もできないから、早く地元を出たいと思っていたが、「価値観ががらっと変わった」という。地域のために何かをしたい、との強い気持ちがわき上がった。
じゃあ、何をすべきか? 持…