写真・図版
3代目社長の藤本さん(右)=中田浩資撮影
  • 写真・図版

道頓堀本店 はり重グリル(大阪)

 濃厚で芳醇(ほうじゅん)なあめ色といおうか。食欲そそるデミグラスソースをまとったビフカツは、レトロで味のある皿にぽってりと鎮座する。付け合わせは素揚げしたジャガイモに、ブロッコリーとニンジンのグラッセ。ソテーしたキノコ類まである。

 何から攻めるかわくわくしながら、この皿を指定する常連は、世代を重ね、今や4世代目。先程から不器用にフォークを動かす幼児は5世代目だろうか。

 1919年、堺市で創業した「はり重」。その後、新世界に移り、さらに現在の地に根を下ろしたのが1948年というから、ミナミの老舗の中でも古参の部類。

 「父からはよく経営に集中し…

共有