
JR四国が乗務員の労働環境改善に取り組んでいる。3月15日のダイヤ改定から勤務時間を20分短縮するのをはじめ、特急列車の長時間運転の削減やマニュアル類の電子化も進める。少しでも働きやすい職場にすることで、不足が懸念される乗務員の確保や定着を図る。
同社によると、1日平均の労働時間を20分短縮し、7時間15分とする。対象は同社の運転士と車掌合わせて約800人。列車に乗務する前後の時間を短縮するなど、業務を効率化して時間を捻出する。昨年秋、労使の交渉で合意した。
また、予讃線などの特急しおかぜ・いしづちの運転士について、児島・高松―松山間の通し乗務も3月ダイヤ改定から全廃する。運転士は途中の伊予西条などで交代するようになる。
朝ラッシュ時に主要駅に向かう列車の運行に向けた前夜の乗務員の泊まり勤務も、列車の減便などによって削減している。国鉄時代に作られた乗務員宿泊所の建て替えや改装も進めている。
昨年8~10月に試行した運転士のサングラス着用は、今春から通年実施を予定。やはり昨年8~10月に実施した乗務員の制帽着用の省略は、今年から5~10月に期間を延長して実施する。いずれも乗務員には好評という。
さらに、乗務員が乗務時に携帯を義務づけられている、機器の修理マニュアルなどを記した規定類を電子化し、スマホで見られるようにする試みも、昨年12月から一部のマニュアル類で始まっている。乗務員の携行品の軽量化を図るためという。
南壮憲・運輸課長は「乗務員は拘束時間が長く、勤務が不規則という特有の負担がある。運転士になりたい人材を増やし、長く働いてもらうため、働きやすい職場にする取り組みを進めたい」と話している。