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2024年9月21日、香港のビクトリア湾のそばで、ショーのために準備された数百機のドローン(無人機)=AP

 中国で最近、無人自動運転タクシーやドローン(無人機)によるデリバリーサービスなどが話題になっています。中国軍も最近、人工知能(AI)や無人兵器、サイバー、宇宙、電磁波、認知領域などを総合的に採り入れたマルチドメイン(多領域)での戦いを重視していると言われます。防衛研究所の八塚正晃主任研究官は中国軍の動きについて、「AIの技術開発は非常に活発だが、戸惑いもみられる」と語ります。

 ――中国軍は2019年の国防白書から「智能(ちのう)化戦争」という言葉を使っているそうですね。

 背景には、AI、量子情報、ビッグデータ、IoT(モノとインターネットをつなぐ)技術の軍事分野への転用が加速しているという認識があります。「智能化」した武器を使い、マルチドメインにまたがる統合作戦を目指しています。

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ウクライナにとどまらず、パレスチナ情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ250人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。

 ――中国軍は、サイバーや宇…

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