ショーケースに並ぶマカロン=2024年5月23日、大津市島の関

 週に3日しか営業していない、マカロンとショコラの専門店が大津市内にある――。そんな話を市職員から耳にした。しかも、人気があるらしい。週3日の営業なのに、人気店。そんなに甘い話があるのか?

 島の関の琵琶湖近くに2022年12月にオープンした「FUSE(フューズ)」。今年5月、取材を申し込もうと、インターネットで店の電話番号を探したが、見つからない。直接、訪ねた。

 店はマンションの1階にある。そこには、パティシエの「働き方改革」を進める、オーナーシェフ布施文彦さん(37)の姿があった。

 布施さんは現在の滋賀県東近江市出身。ホテルなどで計約14年勤め、パティシエの腕を磨いた。13年には、「トップ・オブ・パティシエ・イン・アジア」で優勝した。

 出店に際し、商品を絞ろうと決めていた。そのほうが、客とのすれ違いがない、と考えたからだ。

 選んだのが、小さくてカラフルなマカロン。独特な食感などが好きだった。だが、マカロンは「高い」と言われがち。同業者からは「商売として無理」と反対された。

 布施さんは、マカロンが市民に浸透していないからこそ、「自分の味が出しやすい」と考えた。人気があるショコラもラインアップに加えた。

マカロンとショコラで実現できたサイクル

 こだわったのが、週3日の営…

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