早稲田大学は12日、第24回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞の受賞作を発表した。公共奉仕部門では、朝日新聞の連載「子どもへの性暴力」が奨励賞に選ばれた。「『問題とされることのなかった問題』を掘り起こし、『発することができなかった声』を聞き取り、伝えてきた」とし、「『日々の記録』を語源とするジャーナリズムの使命と可能性を体現している」と評価された。
対象は昨年4月から今年5月末までに、不特定多数を対象としたメディアに公表された作品。応募があった146作品から、3部門で計6作品が選ばれた。
「子どもへの性暴力」は2019年に始まった企画で、被害当事者のほか支援者や加害者らを取材。これまでに第10部まで掲載されている。授賞理由では、「被害者たちを長きにわたり苦しめてきた実態と、それらが生み出される土壌や構造を丹念な取材によって明らかにし、広く社会に向けて問題提起を行ってきた」などとされた。
公共奉仕部門の大賞には、NHKスペシャル・ETV特集「“冤罪”の深層」シリーズ(NHK総合テレビ・Eテレ)、草の根民主主義部門に、信濃毎日新聞の長期連載「憲法事件を歩く 理念と現実のはざまで」、文化貢献部門に、ETV特集「膨張と忘却~理の人が見た原子力政策~」(NHK Eテレ)がそれぞれ大賞に選ばれた。
贈呈式は12月5日に同大の大隈記念講堂である。