日本酒や焼酎を造る伝統的な技術が、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録される見通しとなった。技を受け継ぎ、守ってきた人たちは、「国酒」の未来につなげたいと期待する。
「これからは海外。はずみにしたい」。千葉県成田市の日本酒醸造元「鍋店(なべだな)」の大塚完社長(68)は喜ぶ。代表銘柄の「不動」は海外コンクールで金賞の常連だ。
江戸時代から続く蔵元の家に生まれた。だが、継ぐつもりはなかった。アメリカの大学で経済学を学び、帰国して専門商社に就職した。しかし37歳の時、「経営が苦しい」と連絡を受けた。意を決し、19代目となった。
出稼ぎが基本の杜氏(とうじ…