記者会見する日銀の植田総裁=2024年4月18日、ワシントン、榊原謙撮影

 超円安が日本経済の大問題となりつつある。4月20日付の朝日新聞コラム「多事奏論」にも書いたが、日本経済はいま「新興国化」しつつある。超円安で日本人の購買力が相対的に他国より下がり貧しくなっているのだ。

 勢いが止まらない円安に財務省・日本銀行も懸念を強めている。当局がこれを止めるための円買い介入のタイミングを探っているのはまちがいない。とはいえ、万が一、市場の円売りの勢いを一撃で止められなければ、円売りを仕掛ける投機筋はさらに勢いを増す。だから当局も軽々に介入に動けない。

 そこで円安ストップのカギを握るのは、植田和男総裁が率いる日銀だ。他の先進国の中央銀行のようにインフレ状況に見合った政策金利への引き上げが早くできるかどうか。それが問われている。

  • 超円安で「新興国化」する日本 異次元緩和の末に

 たとえば米中央銀行FRB(…

共有