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インタビューに応じる千本倖生さん=2024年9月17日午後、東京都千代田区

 短期間に多くの中小企業を買収した経緯や手法が批判され、昨秋の取締役会で代表取締役の解任騒動が起きた旧MJG(現・日本製造)。当時、社外取締役として解任に賛成した第二電電(現KDDI)共同創業者の千本倖生氏(82)が、朝日新聞のインタビューに応じた。一連の経緯を振り返り、昨年までのM&Aの進め方に改めて疑問を呈する。

 ――取締役に就いた経緯を教えてください。

 「長い付き合いの日本M&Aセンターの分林(保弘・名誉会長)さんから、MJGという会社が何十社もM&Aをやっているが、手伝ってくれないかと。経営が未成熟だから、日本のM&Aを健全に成長させるため、取締役になってくれないかと言われて、手伝うことにした」

 ――MJGの代表取締役と会ってどう思いましたか。

 「(取締役就任後に)MJGの本社で1、2回話したときは、地頭がよく、商売の力もありそうだと感じた。正攻法よりも、地べたをはって戦うようなイメージだった」

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「思想や哲学が欠けている」

 ――昨年10月2日付で4億円をMJGに貸した経緯を教えてください。

 「それは田邑さん(元基・代…

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