高知県立大の学生食堂で今年から月1回開かれている「認知症カフェ」が盛況だ。
9月には地域住民ら100人を超える人が訪れた。
運営の中心を担う矢吹知之教授(52)に狙いを聞いた。
――どんなことをしているのですか
第1土曜の午後1時半から約2時間、コーヒーを飲みながら会話し、認知症にまつわる30分のミニ講話を聞きます。
目的の第1は、講話で知識を得て「学ぶこと」。第2は新たな出会いをえて「つながること」。
――誰でも参加できるのですね
よく勘違いされるのですが、認知症の人だけが参加する場ではありません。地域住民にも訪れてもらい、認知症への偏見をなくし、認知症への理解を広める「学びの場」です。参加費は飲み物付きで100円です。
――認知症への偏見とは
「何も分からなくなる」というのは大きな誤り。症状には個人差がある。誰しも初期があって段階を踏んでいくのに、重症化したイメージが増幅している。
一方で、軽視もいけない。当事者は不安や恐れを感じ、家族も心が揺れる。最初の対応が変わればその先も変わるのが認知症。診断まで時間のかかるケースも多い。
それを知るには、地域に広く開かれた、カフェのような場所で繰り返し学ぶのが有効です。
記事の後半では、大学で開催している理由や矢吹教授の編著「認知症カフェ企画・運営マニュアル」を出した経緯についても紹介しています。
――9月には若年性認知症で…