大阪府北部の丘陵地に広がる大阪大学吹田キャンパス。工学部のナノフォトニクス研究室(藤田克昌教授)に、新たなタイプの顕微鏡があると聞いて、訪ねた。なんでも、複雑な細胞の内部まで見られるという。
天満健太助教が黒いカーテンを開けて披露してくれたのは、縦、横それぞれ1.5メートル、L字形に組まれた装置だ。
以前から光学顕微鏡を使えば、細胞を生きたまま観察することができた。しま状の光を当てる「構造化照明顕微鏡」を使うことで、細胞内の構造や動きまで見られるようになっている。
それでも、厚みのある試料の場合、不要な光が混じることで、ぼやけてしまい、内部の細かな観察をすることは難しかったという。
そこで天満さんや、当時研究…