本番を前に合奏に取り組む生徒ら=2025年1月6日午前10時14分、奈良市白毫寺町、佐藤道隆撮影

 阪神・淡路大震災からまもなく30年となるのを前に、奈良県内や兵庫県の中学生・高校生らが11日、奈良県大和郡山市でチャリティーコンサートを開く。震災を知らない世代が、被災者から実際に話を聞いて理解を深め、鎮魂の思いを込めて、震災ゆかりの曲を演奏する。

 今月6日、奈良市の高円芸術高の演奏ホールでは、コンサートに出演する同校と国際中高、奈良大付属高の吹奏楽部員約70人が、30年前に神戸市東灘区で被災した磯城野高の松野潤一教諭(47)の話に耳を傾けた。

 松野教諭は当時、高校3年生だった。1月17日の明け方、「ドーン」という突き上げるような揺れに襲われた。テレビは倒れて、電子レンジは2メートルほど離れた壁にぶつかり、食器が散乱した。外に出ると、電車も脱線していた。そして、数日後にようやく見ることができたテレビでは、崩れたり、火事になったりした家々が映し出され、言葉を失った。「これが今まで住んでいた街だと思えなかった」

震災テーマの曲を演奏

 受験勉強もままならず、生活…

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