2022年8月の豪雨で被災し、全区間の7割超で運休が続くJR米坂線(新潟県村上市―山形県米沢市)の早期復旧を求める住民集会が19日、村上市で開かれた。約70人が参加し、JR東日本に復旧を促していく方針を確認した。
沿線自治体の元教育長が講演し、米坂線の利用者が年々減っていることは認めつつ、「地域の交通サービスは公が維持するべきで、赤字を理由に切ってはいけない」と主張。「鉄道がなくなると若者が地元に帰ってこなくなり、地盤沈下が進む」とも述べ、人口減少が進む地方こそ鉄道が必要だと訴えた。
村上市と関川村の幹部も出席し、「JRが責任もって復旧させるのは当然だが、国も財政支援を拡充するべきだ」などとする両首長のあいさつ文を読み上げた。
米坂線は2年近くにわたって坂町(村上市)―今泉(山形県長井市)間が運休し、代行バスが走る。早期復旧を求める沿線7市町村や新潟、山形両県に対し、JR東日本は「復旧費86億円の一部負担」と「将来的な安定運行」という二つの課題を提示。23年9月に自治体側と「復旧検討会議」を立ち上げ、復旧のあり方について話し合いを続けている。(茂木克信)