あこがれだった舞台で走った。だが、心はくもっていた。
「やっぱり、ちょっと違う」
京都産業大のエース小嶋郁依斗(かいと)(4年)は昨年、日本学連選抜の一員として全日本駅伝に出場した。
「関東の強豪選手と走れたのは良い経験だった。ただ、なおさら京産大として出られなかった悔しさの方が大きかった」
昨年まで京産大の全日本駅伝48回出場は歴代トップ。ただ、小嶋が入学した2021年から出場を逃していた。
発奮したのは今年6月の関西地区選考会。4組で登場し、出場選手トップのタイムでゴールした。京産大は4年ぶり49回目の本戦出場を決め、小嶋の表情は大雨の中で走ったとは思えないほど晴れ晴れとしていた。
「チームで(全日本を)走る…