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米フロリダ州タンパで2024年9月10日、米大統領選の討論会を見る前に写真を撮る支援者ら=ロイター

デイビッド・フレンチ

 米国内の分断を解消し、苦境にあえぐ隣人が社会的にも経済的にも活性化できるようにするために、あなたができる最も重要なことは何だろうか。

 それは、正しい候補者に投票することでも(もちろんそうすべきだが)、価値ある大義のために注目を集めようと何か積極的な活動に関わることでもないだろう(それも支持するが)。むしろ、もっと単純でありながら、同時にはるかに難しいことである。

 新しい友人をつくることだ。

 現代の米国の物語は、特に大学に行かなかった労働者階級の米国人にとっては、つながりの希薄化、友人関係の減少、そして帰属意識の喪失の物語である。孤立感は人を惨めな気持ちにさせ、惨めさが蔓延(まんえん)すると私たちの経済や文化にも影響を及ぼす。そのデータは率直に言って、恐ろしい。

「友人が減っている」高卒者で顕著

 先月、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)は2024年の米国ソーシャル・キャピタル調査を発表した。そこで明らかになったのは、厳しい社会の分断である。高卒以下の人たちは、大学以上の学位を持つ人たちよりも、公共の場や趣味のグループで過ごす時間、地域のグループやスポーツリーグで過ごす時間が少ないのだ(便宜上、この二つのグループを高卒者と大卒者と呼ぶことにする)。また、高卒者は友人や家族、近所の人を自宅に招くことが少ない傾向にある。

 ここでいったん立ち止まって…

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