昨年末までシティ・フットボール・ジャパンの代表を務めた利重孝夫さん
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 初のアジアクラブ王者をめざし、サッカーJ1横浜F・マリノスは25日(日本時間26日)、アラブ首長国連邦(UAE)でアルアインとのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦に臨む。クラブの歴史において転換点となったのが、2014年にイングランド1部のマンチェスター・シティーなど世界各地でクラブ経営を展開する「シティ・フットボール・グループ(CFG)」と提携したことだった。この10年間でどんな変化があったのか。今のCFGとマリノスの関係は。昨年末までCFGの日本法人、シティ・フットボール・ジャパンで代表を務め、マリノスの統括本部長や取締役も歴任した利重孝夫さん(59)に話を聞いた。

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 ――CFGとマリノスが提携した14年当時、ACLに関する目標は定めていたのでしょうか。

 「ピッチで結果を出すのは当然、重要なこととしてとらえていましたが、具体的にリーグで優勝するとか、ACLでどんな成績を残すとか、そういった目標は設定していませんでした。目指していたのは、常にJリーグで優勝争いができる日本のトップクラブになること。結果的に、Jリーグで優勝したり、ACL出場を狙えたり、そういったことができればという考えでした」

 ――この10年の間にJ1で2度の優勝。そしてACLの決勝にたどりつきました。成功のポイントは何でしょうか。

 「攻撃的なサッカーへの転換は絶対に必要でしたが、それを最初からやろうとしなかったことでしょう。1年目からポステコグルー監督がやってきたら、たぶん順応できずに大変なことになっていたと思うんです。もちろん外から見える攻撃的なサッカーの転換は(18年に)彼が来てからですが、まずは(15~17年に)モンバエルツ監督が地味ながら基礎となる仕事をしっかりしてくれました。選手に言及するならば、モンバエルツ監督がMF喜田拓也選手を登用したことも大きかったと思います」

 ――なぜですか。

 「当時、私たちは短期的には…

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